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シードルのりんご品種|食用りんごとシードル用りんごの違いを解説
シードルの味は、醸造技術だけでなく、どの りんご品種 を使うかで大きく変わります。ワインにおけるぶどう品種と同じくらい重要ですが、日本語ではまだ十分に整理されていません。このページでは、食用りんごとシードル用りんごの違い、甘酸渋苦のバランス、代表的な考え方をまとめます。
先に結論

- シードルは どのりんごでも造りうる が、味の設計は品種で大きく変わります。
- 食用りんご中心のシードルは果実味が明快、シードル用りんご中心のシードルはタンニンと複雑さが出やすいです。
- 品種を見るときは、sweet / sharp / bittersweet / bittersharp の四分類が役に立ちます。
1. どのりんごでもシードルは造れるのか
National Association of Cider Makers は、シードルは any type of apple から造りうると説明しています。その一方で、英国西部の伝統的スタイルでは、シードル造りだけのために育てられてきた特定品種が使われるとも述べています。
つまり、
- 造れるかどうか
- 良いシードルに向くかどうか
- どんな味になるか
は別問題です。
2. 食用りんごとシードル用りんごの違い
食用りんご
American Cider Association の Modern Cider は、主に食用りんごから造られ、一般にタンニンが低く、酸が高く、明るく爽やかな味わいと整理されています。例として McIntosh、Golden Delicious、Jonagold、Granny Smith、Gala、Fuji などが挙げられています。
シードル用りんご
Heritage Cider では、bittersweet や bittersharp のシードル用りんご、heirloom、crab apple などが用いられます。Modern よりタンニンが高く、渋みや複雑さが出やすいのが特徴です。
3. 四つの基本分類
英国の保護名称資料では、シードル用りんごの性格を次のように整理しています。この四分類は、初心者にも非常に便利です。
| 分類 | 主な性格 | 味の傾向 |
|---|---|---|
| Sweet | 低タンニン・低酸 | 果実味、柔らかさ |
| Sharp | 高酸 | きりっとした酸、噛み応え |
| Bittersweet | 高タンニン・低酸 | 渋み、苦み、ボディ |
| Bittersharp | 高タンニン・高酸 | 骨格、緊張感、複雑さ |
Welsh Cider の保護名称資料では、Sharp は高いリンゴ酸による bite、Sweet は低タンニン・低酸で果実味を添える、Bittersweet はタンニンが苦みや濃い色、充実感を与える、Bittersharp は酸とタンニンの両方を持つと説明されています。
4. 品種が味にどう出るか
Sweet 系
単独では締まりを欠くことがありますが、ブレンドで果実感を出す役割を担いやすいです。
Sharp 系
酸を支えます。ぼやけたシードルに輪郭を与える役です。
Bittersweet 系
シードルらしい渋みや深みを作る中心です。英国の伝統的な重心を作るうえで欠かせません。
Bittersharp 系
酸とタンニンの両方を持つため、単独でも個性が立ちやすいです。
5. 代表的な名前をどう読むか
American Cider Association の資料では、Heritage Cider によく使われる品種例として Dabinett、Kingston Black、Roxbury Russet、Wickson などが挙げられています。
- Dabinett: 伝統的なビタースイート系の代表格として語られることが多い
- Kingston Black: ビターシャープの代表として扱われやすい
- Roxbury Russet: アメリカ系の古い品種
- Wickson: 小玉で高酸・高個性の文脈で取り上げられやすい
一方で、Fuji や Gala のような食用りんごは、Modern Cider の明るい果実味を作る文脈で見かけます。
6. 単一品種か、ブレンドか
単一品種
品種理解には最適です。りんごの個性を覚えやすく、学習用にも向きます。
ブレンド
完成度を高めやすいのはこちらです。Sweet で果実感を、Sharp で酸を、Bittersweet でタンニンを、Bittersharp で骨格を補う考え方ができます。
7. 地域と品種の関係
NACM の Apples & Orchards では、英国東南部では食用りんごベースの歴史があり、西部の伝統地域ではシードル専用品種の文化があると説明されています。つまり、地域を見ることは、そこでどんな品種が中心になりやすいかを見ることでもあります。
シードルの産地を見るときは、国名だけでなく、食用りんご文化か、シードル専用品種文化か、単一園地志向かを考えると理解が深まります。
8. 初心者が品種を見るときのコツ
- 食用りんごか、シードル用りんごか
- 酸が強いのか、タンニンが強いのか
- 単一品種か、ブレンドか
- Modern か Heritage か
- スティルかスパークリングか
この順番で見ると、ラベル情報が少なくてもおおよその性格が読めます。
9. 品種と料理の合わせ方
- 高酸のモダン系: 揚げ物、サラダ、軽い豚料理
- タンニンの強いヘリテージ系: ロースト肉、ソーセージ、熟成チーズ
- 果実味の明るいタイプ: 鶏肉、ハム、塩気の穏やかなチーズ
- 甘口・濃縮系: ブルーチーズ、デザート
FAQ
シードルはどのりんごでも作れますか
作れます。ただし、味の方向や完成度は品種で大きく変わります。
食用りんごとシードル用りんごは何が違いますか
一般に、食用りんごは果実味と酸が中心、シードル用りんごはタンニンや複雑さを出しやすい点が違います。
Bittersweet と Bittersharp はどう違いますか
Bittersweet は高タンニン・低酸、Bittersharp は高タンニン・高酸です。
初心者はどのタイプから入ればよいですか
まずは食用りんご中心の Modern Cider から入り、次に Heritage Cider を試すと差が分かりやすいです。










