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ジンの種類一覧|定義とスタイルをまとめて解説

ジンの種類一覧|定義とスタイルをまとめて解説

20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。この記事は、ジンの分類とスタイルを理解するための解説です。

ジンの種類は、思っている以上に複雑です。理由は単純で、法律上の分類と、バーや小売現場で使われる呼び名が一致していないからです。ロンドンドライジン、オールドトムジン、クラフトジン、ネイビーストレングス、スロージン、ピンクジンという言葉が同じ棚に並びますが、これらはすべて同じレベルの分類ではありません。

この記事では、ジンの種類を 法規上の分類 と 市場・文化上のスタイル に分けて整理します。先に結論を言うと、初心者はまず Gin、Distilled Gin、London Gin の違いを押さえ、その後に Old Tom、Plymouth、Genever、Navy Strength、Sloe Gin を覚えると混乱しにくくなります。

目次

ジンの種類は二層で考える

ジンの種類一覧|定義とスタイルをまとめて解説:ジンの種類は二層で考える
ジンの種類は二層で考える

ジンの種類は、一枚の表で全部理解しようとすると必ず混乱します。そこで、まず二層に分けます。

第一層:法規上の分類

法的な定義に基づいて整理される層です。EU では主に Gin、Distilled Gin、London Gin、Sloe Gin が重要です。これはラベル表示や製法要件に関わるため、比較的厳密です。

第二層:市場・文化上のスタイル

バー、蒸留所、酒販店、愛好家の間で使われる分類です。Old Tom、Plymouth、Navy Strength、Contemporary Gin、Craft Gin などがここに入ります。こちらは法的というより、味や伝統、用途を示すことが多い言葉です。

この二層を分けて理解するだけで、ロンドンドライジンとクラフトジンを並列に比較してしまう混乱がかなり減ります。

法規上の分類

Gin

もっとも広いカテゴリーです。ジンと名乗るための核は、ジュニパーが主たる香味であることです。広いカテゴリーであるぶん、蒸留の仕方や香味付けの自由度も比較的大きく、必ずしもすべてが同じ酒質になるわけではありません。

実務上は、このカテゴリーだけを見るよりも、次の Distilled Gin と London Gin を見たほうが、スタイルの輪郭をつかみやすくなります。

Distilled Gin

Distilled Gin は、再蒸留によって香りを与えたジンです。ここが重要で、単にエッセンスを加えただけのものとは区別されます。再蒸留という工程が入るため、香りのまとまり方や質感に一定の品位が出やすく、現代的な高品質ジンの多くはこの層で理解すると整理しやすくなります。

ただし、Distilled Gin だから必ずクラシックな味とは限りません。蒸留後の設計の自由度が London Gin より広いため、かなりモダンな表現も含められます。

London Gin / London Dry Gin

ロンドンドライジンは、最も誤解されやすい分類です。これはロンドンでつくられたジンという意味ではなく、厳格な製法要件を満たすジンを指します。香味は天然ボタニカルを用いた蒸留工程だけで与えられ、着色は不可、甘味も極少量まで、他の追加成分も厳しく制限されます。

したがって、ロンドンドライジンという語から きっとこういう味 まで決めつけるのは正確ではありません。保証されるのは味の傾向そのものではなく、主として製法です。とはいえ、現実にはジュニパーと柑橘が明快で、辛口で、カクテルに使いやすい方向へ落ち着くことが多いです。

ロンドンドライジンを詳しく知りたい方は、ロンドンドライジンとは をご覧ください。

Sloe Gin

スロージンは普通のジンの一種と誤解されがちですが、法的にはリキュールとして扱われます。スローという果実をジンに浸漬してつくられるため、甘みと果実味があり、一般的なドライジンとは性格がかなり異なります。

棚にジンと並ぶことはありますが、味わいも用途も別物として考えたほうが失敗しません。ストレート、ソーダ割り、食後酒としての楽しみ方が向いています。

市場でよく使われるスタイル名

ロンドンドライジン

法規上の分類であると同時に、最も広く流通している実戦的なスタイルです。ジンの基準点を覚えたいなら、まずここから入るのが最も無難です。ジュニパー、柑橘、コリアンダー、アンジェリカといったクラシックな構成が見えやすく、ジントニック、マティーニ、ネグローニでぶれにくいのが利点です。

オールドトムジン

オールドトムジンは、ロンドンドライよりやや甘く、丸みのあるスタイルとして理解されることが多いジンです。歴史的には18世紀から19世紀にかけて親しまれ、現代ではクラシックカクテルの再評価とともに再登場しました。

重要なのは、オールドトムは 厳密な法的味覚定義 というより、やや甘い・やわらかい・古典的 という文脈で理解したほうが実用的だという点です。トムコリンズやマルティネスのようなレシピと相性がよいスタイルです。

プリマスジン

プリマスジンは、一般にロンドンドライより丸みがあり、やや土っぽく、柔らかい印象を持つスタイルとして語られます。現代では Plymouth Gin という歴史あるブランドと結びついて理解されることが多く、単独の大きなカテゴリとして市場に大量に存在するわけではありません。

ジンの種類を学ぶうえでは、ロンドンドライと比べて 少し落ち着いた輪郭 と覚えると実用的です。マティーニやギブソンのようなシンプルなカクテルで違いが見えやすくなります。

ジュネヴァ / ジュヌヴァ / Genever

ジュネヴァは、現代のドライジンに近縁ではあるものの、味わいはかなり異なります。麦芽由来の厚みや穀物感を持ち、ウイスキーに近い印象を受ける人もいます。ジンの起源を理解するうえで避けて通れない存在ですが、現代的なロンドンドライと同じ感覚で飲むと驚くことがあります。

ジンの種類として一緒に語られることは多いものの、実際には 近縁の伝統酒 として捉えたほうが本質に近いです。

ネイビーストレングス

ネイビーストレングスは、一般に 57%前後 の高めのアルコール度数でボトリングされたジンを指します。度数が高いから強いだけではなく、ジュニパー、柑橘、スパイスの輪郭が太く出やすく、カクテルの中で埋もれにくいのが特徴です。

ジントニックやネグローニで使うと、通常の 40〜47%帯より存在感が出やすく、香りの芯が残ります。原酒の迫力を楽しみたい人に向くスタイルです。

クラフトジン

クラフトジンは法規上の分類ではありません。地域素材、小規模蒸留、独自のボタニカル設計、つくり手の思想を強く打ち出す文脈で使われる呼び名です。つまり、ロンドンドライジンとクラフトジンは対立概念ではなく、ロンドンドライでありながらクラフトジンでもある、という重なり方をします。

クラフトジンの特徴を詳しく知りたい方は、クラフトジンとは を参照してください。

Contemporary Gin / New Western Gin

この言葉は法的分類ではありませんが、現代のジンを理解するうえで便利です。ジュニパーを土台に残しつつも、花、果実、ハーブ、地域素材を前面に出したスタイルに対して使われることが多い表現です。ヘンドリックス以降の流れを説明するときによく登場します。

ただし、定義は曖昧です。ラベルに書いてあっても法的意味は薄いため、実際にはボタニカル構成と飲み方を見たほうが正確です。

フレーバードジン

果実や甘味、色味を伴うジン類の商品群です。ここには本当にジンであるものもあれば、ジンリキュールに近いものもあります。ピンクジンという名称もこの領域と重なることが多く、見た目の印象だけでロンドンドライと同じつもりで買うと、かなり甘く感じることがあります。

ピンクジン

ここは少しややこしいところです。歴史的には、ピンクジンはジンにビターズを加えたカクテルを指す語でした。ところが現代の小売市場では、赤系やピンク系の果実風味を与えたジンやジンリキュールを指して使われることが多くなっています。したがって、ピンクジンという語だけでは中身がわかりません。必ずボトルの分類、度数、糖分の方向性を確認したほうが安全です。

樽熟成ジン

樽熟成ジンは、透明であることが多いジンの中では例外的な存在です。木樽由来の色と香りが加わり、バニラ、スパイス、木質感が出ます。樽香が加わっても中心はあくまでジュニパーであり、通常のドライジンとは別の楽しみ方が必要です。

ただし、ロンドンドライジンという表示との関係は法域によって注意が必要です。少なくとも EU 市場では、樽熟成品を London Dry Gin と表示する運用はできなくなっています。

ジンの種類を一枚で整理すると

名称 法規上の分類か 主な特徴 初心者向けか
Gin はい 最も広いカテゴリー
Distilled Gin はい 再蒸留で香りづけ
London Gin / London Dry Gin はい 厳格な製法、辛口傾向 とても高い
Sloe Gin はい 果実系リキュール 高いが別物として理解が必要
Old Tom Gin いいえ やや甘く丸い
Plymouth Gin いいえ 丸み、落ち着き 高い
Genever 近縁の伝統酒 麦芽感、厚み 低〜中
Navy Strength いいえ 高度数で骨格が太い
Craft Gin いいえ 地域性と個性 中〜高
Pink / Flavoured Gin いいえ 甘みや果実感が出やすい 高いが中身の確認が必要

よくある誤解

ロンドンドライジンはロンドン産でなければならない

誤りです。ロンドンドライジンは地名ではなく、主として製法を示す名称です。世界中の蒸留所がロンドンドライジンをつくれます。

クラフトジンは小規模蒸留所だけのもの

必ずしもそうではありません。クラフトジンには明確な法的定義がないため、大手が個性的な原料や製法で表現した商品も市場ではクラフトジンと呼ばれます。

スロージンは普通のジンと同じ棚で考えてよい

実務上は別物として見たほうが安全です。法的にはリキュールで、味も甘く果実寄りです。

ピンクジンはすべて同じカテゴリ

同じではありません。歴史的カクテルを指すこともあれば、現代のフレーバードジンやジンリキュールを指すこともあります。

ジュネヴァは単なる昔のジン

近縁ではありますが、現代のドライジンと同じ酒として扱うと誤解が大きくなります。穀物感とモルト感が強く、別の伝統酒として飲んだほうが理解しやすいです。

目的別の選び方

ジンらしさの基準を覚えたい

ロンドンドライジンを選ぶのが最適です。種類の基準点になります。

家でソーダ割りを楽しみたい

クラフトジンや和素材系、ハーブ系の Contemporary Gin が向いています。トニックより甘さに隠れにくいため、素材の違いが見えやすくなります。

クラシックカクテルを楽しみたい

ロンドンドライジン、プリマスジン、ネイビーストレングスが候補です。マティーニ、ネグローニ、トムコリンズで違いが出ます。

甘めで入りやすいものがよい

スロージンや、やや甘さのあるオールドトムが候補になります。ただし、普通のドライジンとは別ジャンルに近いと理解して選ぶほうが失敗しません。

ジンの幅を勉強したい

順番としては、ロンドンドライ → クラフトジン → オールドトム → ネイビーストレングス → ジュネヴァ の順に広げると、違いを言語化しやすくなります。

よくある質問

ジンの種類は結局いくつありますか

法規上の分類だけを数えるのか、市場で使われるスタイルまで含めるのかで答えが変わります。実用上は、Gin、Distilled Gin、London Gin、Sloe Gin と、Old Tom、Plymouth、Genever、Navy Strength、Craft Gin を覚えれば十分です。

初心者はどの種類から始めるべきですか

最初の一本はロンドンドライジンが最も無難です。ここが基準点になるので、その後にクラフトジンやオールドトムを飲んだときの違いが理解しやすくなります。

クラフトジンは種類ですか

法的な種類ではありません。文化的・市場的な呼び名です。

スロージンはジントニックに向きますか

できますが、普通のジンのような辛口のジントニックにはなりません。甘く果実寄りのロングドリンクとして考えるとよいです。

ネイビーストレングスは初心者には強すぎますか

いきなりストレートだと強く感じやすいですが、トニックやネグローニでは魅力がよく出ます。基本のジンに慣れてから試すと理解しやすいです。

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参考情報・出典