ビールの種類一覧|基礎からビアスタイルまでまとめて解説
20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。この記事は、ビールの種類を理解するための解説です。
ビールの種類と聞くと、ラガー、エール、IPA、黒ビールのような言葉が一度に出てきます。けれども、これらは同じ軸の分類ではありません。ラガーとエールは発酵の大分類、IPA やスタウトはスタイル名、ビールと発泡酒は日本の税法上の区分です。ここを整理しないまま情報を読むと、初心者の方ほど混乱しやすくなります。
このページでは、ビールの種類を三つの軸で体系化し、そのうえで代表的なスタイルを一望できる形にまとめます。まず全体像を押さえたい場合は ビールとは?完全ガイド もあわせてご覧ください。
目次
- ビールの種類は三つの軸で考える
- 日本の税法上の区分
- 発酵による大分類
- 代表的なビアスタイル一覧
- 色・原料から見た違い
- 初心者が入りやすい種類
- まとめ
ビールの種類は三つの軸で考える

ビールの種類を理解するときは、次の三つを分けて考えるのが基本です。
- 税法上の区分
日本では、ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類という分け方があります。 - 発酵による区分
一般にラガーとエールが大きな二本柱です。 - スタイルによる区分
ピルスナー、ヘレス、ペールエール、IPA、ヴァイツェン、スタウトなどです。
この三つは重ね合わせて読むものです。たとえば、IPA はスタイル名であり、その多くはエール系です。ピルスナーはスタイル名であり、多くはラガー系です。発泡酒は税法上の区分であって、味のタイプを直接表す言葉ではありません。まずこの前提を押さえるだけで、検索結果やラベルの読み方がかなり安定します。
日本の税法上の区分
日本では、ビール系飲料は大きく次のように整理されます。
| 区分 | 位置づけ | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| ビール | 酒税法上のビールの定義を満たすもの | 麦芽比率、使用原料 |
| 発泡酒 | ビールに近いが定義が異なるもの | 麦芽使用率、品目表示 |
| その他の発泡性酒類 | いわゆる新ジャンルなどを含む区分 | 品目表示、原材料 |
味の違いだけでなく、原料と表示ルールが関わるため、スタイル名とは切り分けて考える必要があります。ここを詳しく知りたい場合は ビールと発泡酒の違い をご覧ください。
発酵による大分類
ビールの大分類としてもっとも基本なのは、ラガーとエールです。
ラガー
下面発酵酵母を使い、比較的低温で発酵させるのが一般的です。すっきりした味わい、整った苦味、透明感のある香味に仕上がりやすく、日本の大手メーカーで主流なのもこの系統です。代表例は、ピルスナー、ヘレス、メルツェン、ドルトムンダーなどです。
エール
上面発酵酵母を使い、比較的高めの温度で発酵させるのが一般的です。果実香や華やかな香りが出やすく、飲み比べの楽しさが大きい系統です。代表例は、ペールエール、IPA、スタウト、ポーター、セゾン、ベルジャンエールなどです。
その他
自然発酵や混合発酵、特殊な熟成や副原料を活かしたスタイルもあります。ランビックやサワーエールの一部は、この枠で理解したほうが実態に合います。
代表的なビアスタイル一覧
代表的なビアスタイルを一覧化すると、次のようになります。
| 大分類 | スタイル | 主な特徴 | 苦味 | 香り | 色 |
|---|---|---|---|---|---|
| ラガー | ピルスナー | 爽快、切れ、バランスのよい苦味 | 中 | 中 | 淡色 |
| ラガー | ヘレス | 麦芽感がやわらかい、穏やか | 低〜中 | 低 | 淡色 |
| ラガー | メルツェン | パンのような麦芽感、ほどよい厚み | 低〜中 | 低 | 琥珀色 |
| エール | ペールエール | 香り豊かで飲みやすい | 中 | 中〜高 | 淡色〜琥珀色 |
| エール | IPA | ホップ香が強く苦味も明瞭 | 高 | 高 | 淡色〜琥珀色 |
| エール | ヴァイツェン | 小麦由来のやわらかさ、果実香 | 低 | 中 | 淡色・白濁 |
| エール | スタウト | ロースト、コーヒー、カカオ | 低〜中 | 中 | 濃色 |
| エール | ポーター | スタウトより穏やかなロースト感 | 低〜中 | 中 | 濃色 |
| エール | セゾン | 乾いた後口、スパイシー | 低〜中 | 高 | 淡色 |
| その他 | サワー系 | 酸味が主役、果実や木樽要素も多い | 低 | 中 | 幅広い |
この表は入口としての整理です。実際には、同じ IPA でも West Coast IPA、Hazy IPA、Session IPA のような細分化があります。IPA の世界を別ページで見たい方は IPAとは をご覧ください。
色・原料から見た違い
ビールは色でも大まかな傾向を読めますが、色だけで味を決めつけないことが大切です。
- 淡色ビール
軽快で爽快な印象になりやすい一方、IPA のように強い苦味を持つものもあります。 - 琥珀色ビール
麦芽の香ばしさやカラメル感が加わりやすく、苦味とのバランスが見どころです。 - 濃色ビール
ローストした麦芽の影響で、コーヒーやカカオ、トーストのような香りが出やすくなります。
また、原料面では小麦を使うとやわらかさや白濁、オーツを使うと滑らかさ、果実やスパイスを使うとスタイルに応じた個性が強く出ます。クラフトビールの幅が広く感じられるのは、この原料設計の自由度が大きいからです。
初心者が入りやすい種類
最初の一本を選ぶなら、次の順が入りやすいです。
- すっきり飲みたい
ピルスナー、ヘレス - 香りも楽しみたい
ペールエール、ベルジャンホワイト - 苦味に少し慣れたい
セッション IPA、穏やかな IPA - やわらかな口当たりがよい
ヴァイツェン - 濃色も試したい
マイルドなスタウト、ポーター
初心者向けの選び方をさらに具体化したい場合は、ビールのおすすめと選び方 をあわせて読むと迷いにくくなります。
まとめ
ビールの種類は、ひとつの表では整理しきれません。大切なのは、税法上の区分、発酵の分類、スタイル名を分けて考えることです。
- ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類は税法上の区分
- ラガーとエールは発酵による大分類
- IPA、スタウト、ピルスナーなどはスタイル名
- 色や原料は補助的な読み方として使うと理解しやすい
次に読むページとしては、基礎を深めるなら エールとラガーの違い、人気スタイルを掘るなら IPAとは、選び方まで進めるなら ビールのおすすめと選び方 がつながりやすいです。
あわせて読みたいビールの記事
まず全体像を知りたい方は ビールとは?種類・原料・作り方・飲み方まで完全ガイド をご覧ください。
よくある質問
ビールの種類と銘柄は同じ意味ですか
同じではありません。種類はスタイルや分類、銘柄は個別の商品名です。
ラガーは全部同じ味ですか
同じではありません。ピルスナー、ヘレス、メルツェンなど、同じラガーでも香味設計はかなり異なります。
黒ビールはすべて重いですか
必ずしもそうではありません。黒くても軽快なものはありますし、苦味や甘みの出方もさまざまです。
IPA は独立した大分類ですか
大分類ではなくスタイル名です。多くはエール系ですが、近縁の派生もあります。
発泡酒にもスタイルはありますか
あります。ただし、品目の区分とスタイル名は別の軸なので、分けて考える必要があります。
関連ページ
参考情報・出典
- 酒類総合研究所 お酒のはなし ビール 改訂版: ('酒類総合研究所\u3000お酒のはなし ビール 改訂版', 'https://www.nrib.go.jp/sake/story/pdf/BeerNo01.pdf')
- サッポロビール 上面発酵、下面発酵とはなんですか?: ('サッポロビール\u3000上面発酵、下面発酵とはなんですか?', 'https://www.sapporobeer.jp/support/customer/faq/0000000344/')
- キリン ビールは大きく3つに分類できる: ('キリンビール大学\u3000ビアスタイルって?', 'https://www.kirin.co.jp/alcohol/beer/daigaku/ZMG/dst/no74/')
- BJCP Style Guidelines: ('BJCP Style Guidelines', 'https://www.bjcp.org/bjcp-style-guidelines/')
- 国税庁 酒のしおり 2025 酒類の分類及び定義: ('国税庁\u3000酒のしおり 2025\u3000酒類の分類及び定義', 'https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2025/pdf/0009.pdf')
- 最終確認日: 2026-03-23










